追いかけっこ(仮)


「あ、悪い。」

「いや……、何?」

「あぁ、今日の放課後、空いてるか?」


放課後……?

私は気を引き締めた。


「ごめん、風音のところに行かなきゃ。」

「鳩芭邸か。」


私は頷いた。


「じゃあ、ちょうどいい。」

「え?」

「一緒に行くぞ。」


ドクッ。と心臓が波打った。

一緒に行かないと怪しまれる。

ただ、風音とふたりきりぬるのは相当難しいと思う。

そろそろ、
龍樹が勘づき始めてもおかしくない。


リスクは高い。


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