追いかけっこ(仮)


「ッ!!」


龍樹が私をじっと見る。


「……龍樹?」


私が呼び掛けると、
龍樹はハッとした顔になって、


「あ、悪い。
……じゃあ放課後。」

「うん。」


私が頷くと、龍樹がフッと笑って自分の席に戻っていった。


「ちょっ、華恋!!呼び捨て?!!!」

「あ、うん。呼べって言われたから。」

「風音って、誰??」


ドクンッ。

“誰??”か。

どうやって説明しようか。


「幼馴染み、だ、ょ……。」


バタンッ。


「キャーッ!!」

「華恋ッ?!」


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