追いかけっこ(仮)


シャーーーッ。


「伊次くん、華恋ちゃん起きた?」


仕切りのカーテンが開き、
保健室の先生が顔をのぞかせた。


「あ、はい。」

「あ、ありがとうございました。」


私は先生に頭を下げてお礼を言った。

先生はクスッと笑って、


「あら、お礼なら伊次くんに言いなさい。」

「へ?」


龍樹?
……そういえば、
なんで龍樹がここにいるの?

私は龍樹を見上げた。
龍樹はバツが悪そうに私から目を反らした。


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