追いかけっこ(仮)
Four
鴿芭邸
「華恋?」
「……ッ!!!!」
龍樹の声にハッとした。
私は、自分の言葉を思い返す。
“見つけて……。”
“私が本物。”
“私を忘れないで……。”
何たる大失態。
私は瞬時に思考を張り巡らせ、
苦笑いをした。
「意味わかんないこと言ってごめん。
ごめん、忘れて?」
忘れられるはずないだろうけど。
「は?」
「お願い……。」
私はすがるような瞳で龍樹を見つめた。