追いかけっこ(仮)
怪盗Vと華恋
暫く警察からの質問を受けた風音は、
私と部屋で二人きりになった。
「華恋、私楽しみだわ。」
「……。」
「私を楽しませて頂戴ね。」
「……仰せのままに。」
私は制服のしたに怪盗Vの衣装を仕込み、
恭しく風音に頭を下げた。
すると、風音は手元に置いてあったボールを窓に向かって投げた。
バリーンッ!!!!
「風音?!」
「何ネックレス盗られてんのよ!!!」
ガラスの破片が散乱する部屋。
風音がヒステリックに叫びながら目配せをする。
……そういうことか。