追いかけっこ(仮)
私は風音がやろうとしていることを察し、
窓に近づいた。
バタバタ……、
「じゃあ、楽しみにしてるわ。」
バタンッ!!
ドンッ!!!!
警察が入ってきたより一瞬後に、
風音が私の背中を押し、私は窓の外に身を投げた。
「華恋!!!?」
あぁ、龍樹も部屋に来たんだ。
私はスルッと一つ真下の部屋のバルコニーに滑り込んだ。
「……準備完了。」
私は赤い羽根の眼鏡を身につけて、
夜の闇から飛び上がった。