追いかけっこ(仮)
私はある部屋の壁に、
五芒星を描いた。
「何やって……、」
ガチャン。
ゆっくりと壁が開ける。
開いた先には、一つの部屋が広がっていた。
私は驚いた様子の龍樹を一瞥すると、
無言で部屋に入っていった。
龍樹も私に続く。
龍樹が中に入ったことを確認すると、
私は壁に手をふれた。
ヴィーン。
ゆっくりと壁が閉じていく。
「ここは……?」
龍樹は部屋の中を見回しながら、
私に聞く。
「私の秘密部屋。」
そう、風音の言いなりになってしばらくしたときに、
風音のお母さんが特別に作ってくれた、
絶対風音の入ってこれない安息の場所。