追いかけっこ(仮)


「齋藤、ちょっと来い。」


氷のプリンスはそう言うと、教室を出ていった。


さいとう……って、


「私に言ったの??」


女子様の視線が痛い。


……うん、私だ。


私は視線から逃げるように教室を飛び出した。

伊次龍樹の背中を見つけ、追いかける。


「ちょっと!!」

「お前さ、会ったことないか??」


……は??


「毎日会ってるじゃん。」

「そうじゃなくて……。」


言いたい意味は分かってる。

勘づかれてるんだ。

やっぱり今日は学校休めばよかったな……。


< 24 / 195 >

この作品をシェア

pagetop