追いかけっこ(仮)
私は、今日の放課後のカフェでのことを思い出した。
動きにくい……。
私の頭が瞬時に策を練っていく。
「……ごめん、桜。」
私は自分にしか聞こえない声で桜に謝って、桜のそばまで近づいた。
パサッ。
私は桜の足元に“品”を投げ置いた。
桜は、驚いた顔で周囲を見渡す。
警察が音のした方に近寄ってくる。
私は桜のもとに舞い降りた。
「かいとぅ……、」
目を輝かせて私の名前を呼ぼうとする桜の口に人差し指を置いた。