追いかけっこ(仮)


「?」

「散々私を馬鹿にしてるけど、伊次くん隙ありすぎよ?」


私は昨日のように、
あるものを顔の横で揺らした。


「あ……!!」


伊次くんは自分の手の中を見る。

そこには、
偽物がひとつ。





「私の勝ち♪」





そう、
今私の手の中にあるものは、


今日お目当ての“品”。


私はクスッと笑った。


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