追いかけっこ(仮)


「伊次くん、面白いのね。」

「は??」

「私は何でも知ってるの。」

「意味わかんね。」


伊次くんが再び呆れた顔を浮かべるけど、無視。


「氷のプリンス。」


私がクスッと笑ってそう言うと、
伊次くんはバッとこっちを向いた。


「なんでそれを……、」

「でも、実際は違うのねー。」


きっと、
こっちが伊次龍樹。


「……。」


伊次くんは怪訝そうに私を見ている。


「だから言ったでしょ。
私は何でも知ってるの。」


< 66 / 195 >

この作品をシェア

pagetop