追いかけっこ(仮)
風音
身体がビクッと跳ねた。
“何で怪盗Vになろうとしたんだ?”
私は、
心が凍りついていくのを感じた。
静かに冷たく、
でも、熱く燃え上がったように私の中で高ぶる感情。
「怪盗V……?」
そう、例えるなら、
“冷たい炎”のような感情。
「……。」
私は、
気持ちを落ち着かせるために、
ゆっくりと深く深呼吸をした。
そして、
ゆっくり伊次くんに言った。
「それは、尋問のときね。」
私はそういうと、
最後にニコッと笑って、
夜空の闇に溶け込んでいった。