追いかけっこ(仮)
「V、近くに来て……。」
私に向かって手を伸ばす主。
私は言われるままに主に近づく。
「V……、私の大好きなV。
私の美しい使用人、
私だけの華恋……。」
細く冷たい指先で、
私の頬に触れる主。
私は、ただ無表情でされるがままになっていた。
「ありがたきお言葉。
そろそろお疲れでしょう。
お嬢様はもう」
パシッ。
頬に衝撃が走る。
「お嬢様なんて呼ばないで!!!!!!」
「……失礼しました、風音。」