追いかけっこ(仮)
「どこに行く気?!」
「風音……、」
「行かせないッ!!」
風音の瞳は、
異様なほどの光を宿していた。
バタバタ……、
廊下から誰かが駆けてくる音が聞こえて、
ガチャッ。とドアが開く。
「風音ッ?!
……これはッ!?」
風音の母親が驚愕の眼差しでドアの前に散らばる破片を凝視した。
「あぁ、それね……。
華恋が帰ろうとしたから華恋を止めるために投げたの。」
平然と言ってのける風音。