追いかけっこ(仮)


「華恋ちゃん怪我は!?」

「大丈夫です。」


私に心配そうに聞く風音の母親に、
私はそれだけ答えた。


「さぁ華恋、来て。」


風音が満足そうに私に向かって両手を広げる。


「風音!!」

「うるさい。出ていって。」

「かざ……、」

「出ていってって言ってるでしょう?!」


風音が近くにあった花瓶に手をかけた。

きっと、母親めがけて投げる気だろう。

私は素早く風音に近づいた。


< 76 / 195 >

この作品をシェア

pagetop