追いかけっこ(仮)


「風音。」


私は無表情の上に、
微笑みを貼り付けた。

途端に、満面の笑みを浮かべて私に抱きつく風音。

私は風音の母親に出ていくよう目配せをした。

母親は感じ取ったのか、
部屋から出ていった。


「華恋っ♪」


ギュウッ。と抱きつく力を強める風音に、私は無表情に戻した。


「さぁ、風音、寝ましょう。」

「嫌ッ!!」

「風音……。」

「だって、寝たら華恋帰っちゃうもの。」


……。


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