追いかけっこ(仮)
………。
「じゃあ、
明日……って言っても日付てきに今日なんですけど……、学校なので失礼します。」
苦笑いでそう言うと、
風音の母親はハッとしたように涙を拭って笑顔を貼り付けた。
「そうね、こんな夜遅い時間にいつもいつもありがとうね。」
「いえ、どうせ私、なかなか寝付けないし。」
私はそう嘘を吐いた。
私が怪盗Vということは、
風音しかしらない。
自分のお母さんにすら言っていない。
私はもう一度頭を下げて家に帰った。