追いかけっこ(仮)
龍樹side
今日、教室に入ったとき、
普段は目にもとめないひとりの女を見て、なぜか心臓がドクンと跳ねた。
……?
気がついたら俺は、
そいつを呼び出していた。
名前は確か、齋藤華恋。
周りの男達が、
“可愛い”
“美人”
と噂しているのを何度か聞いている。
「ちょっと!!」
廊下を少し歩いたところで、
齋藤に止められた。
そして、
「お前さ、会ったことないか??」
不意に思ったことを、聞いてみた。