追いかけっこ(仮)


「ぁ、そうそう。」


が、


教室に入る直前に俺は足を止めた。


「ん??」


齋藤は首をかしげながら、俺を見る。

その姿に、心臓がドクンと反応した。


「お前と話すの、楽しかったから。」

「ぇ??」

「また相手しろよ。」


俺はそう言って、
今度こそ教室に入っていった。


自然に動いた口。


………なんだよ、これ。

俺は手で口を押さえながら考えたが、答えは出なかった。


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