追いかけっこ(仮)


しばらくすると、
警報器がなった。


「怪盗V!!」


警官の追いかける声が聞こえた。

そして、


「鬼さんこちら♪」


屋上に飛び上がってきた。


「怪盗V……。」


俺は、無意識にそう呼んでいた。

怪盗Vはゆっくり振り返る。


「伊次くん……。」

「昨日ぶり。」

「昨日ぶり……。」


心なしか、元気がないように見える。


「元気ない?」

「へ??」

「今日は静かだから。」

「そう?」


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