何よりも君が愛しくて…



「声、震えてるよ」

「うるせぇ、早く帰れ」


自分でもわかるくらい震えてた。
それがむかつく。
なんでこんなに俺弱いんだよ…
情けねぇ…


「ずっと辛かったんだね」

「お前に何が…ッ「わかんないよ。あたしには何にも。でも知ろうとはするし、寂しかったら一緒にいてあげる。」


俺の言葉を遮ってまで、そういうと俺の隣に座って、ね?と微笑んだ。

その微笑みが心を癒しで包んでくれた。
ホッと力が抜けて、その途端涙が溢れて止まらなかった。


「俺…泣く、なんてッ、情けねぇ…な」


嗚咽が邪魔して、うまく喋れねぇ…



< 23 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop