何よりも君が愛しくて…



真っ暗な誰もいない家。
静かすぎて、外の雨の音しか聞こえない。

……雨は嫌いだ。
そういえば、あの日も雨の日だった気がする。



―……お父さん待って!!
どこにも行かないで…
お父さん……!!


―……お金はちゃんと入れとくから…
一人で住んでね。
いい子ね…



途端に思い出す俺の過去。


無性に苛立ちがして、手を握りしめる。



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