何よりも君が愛しくて…
第三章
生と死の迫間
真っ暗な道をただ走った。
バクッバクッと心臓がいつもより速いのがわかる。
それは、走ってるからだけじゃないってこともわかってた。
『美月が………自殺したんだ……』
さっきの健の言葉が、壊れたCDのように、何度も俺の頭の中でリピートされる。
…自殺………
近くのマンションの屋上から飛び降りたらしい。
落ちたところが土だったらしく、まだ息はあるみたいだ。