何よりも君が愛しくて…



「何、あいつ……目、青じゃん!!」


ギャル軍団の一人が、そう叫んだ。


そう……彼女の目は、綺麗な水色をしていた。

でも、その綺麗な目の一つは、眼帯で見えなかった。

「綺麗……」


言うつもりなかったのに、勝手に自分の口から出た言葉。


「え……ありがとう…」


恥ずかしそうに、はにかむその子は、あのゆうらんとか言う子なんだろうか。
俺の後ろだから。


「あのさ、下の名前なんて読むの…?」

「え…名前?」

「うん。さっきからずっと気になってんの」

「ゆらんだよ。みづき ゆらん。」


ゆらん……
彼女に合った可愛らしい名前だと思った。


「珍しい名前だよな」

「昔からよく言われる。」


可愛いと思っていても、素直になれない俺。



< 9 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop