空色のキモチ
「先輩達見つからないな」

あっち君が沈黙を破る。




はぐれてからかなりの時間が経っていた。




花火も終わってしまった。




「どうする?探す?」



まだ露店は開いていたので人はたくさんいる。



「見つかるかなぁ?」
不安げにあっち君に言った。



「難しいかもなー。露店もかなり向こうの方まであったし…」


あっち君が冷静に言った。



携帯には、祐樹君からの着信が何件か入ってた。


私も何回かかけたけど…
すれ違っちゃったんだ。



もう一度電話をかけたけど繋がらなかった。





「俺そろそろ帰るけど、凜はどうする?」




「見つからないかもしれないけど…祐樹君を探してみるね。ありがとう、あっちゃん。」



あっち君に手を振って、


石段を降りて、露店通りの人込みの波を歩いた。







どこにいるんだろう?


もう帰っちゃったかなぁ。



半分諦めながら歩いてた。





はぐれちゃったし、見つからないし、友達と帰ったかもね…






端から端まで歩いても、祐樹君は見つからなかった。








諦めて一人で家に向かって歩いた。
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