空色のキモチ
穿き慣れない下駄で歩いたから足が痛い。



途中で休みながら歩いてた。



携帯が鳴る。

あっち君からだった。


「今どこ?祐樹先輩、今俺ん家いるから!」



そっか。先に帰ってたんだ。



「帰るまで、まだまだ時間かかるよ?今、国道沿いのコンビニの辺りだけど。。。
下駄で歩いたから足が痛くて…休みながら歩いてる。」



祐樹君が電話に出た。

「すぐに迎えに行くから、コンビニで待ってて!」


それだけ言って電話が切れる。




5分くらいであっち君が自転車に乗って迎えに来てくれた。



「先輩、少しお酒飲まされたみたいでさ。俺ん家で休んでるよ。」


自転車に乗ってあっち君につかまる。


「みんなにお酒飲まされて、凜がいなくなった事にすぐには気付かなかったって。ずっと探してたけど、家にも帰ってないし公園で凜を待ってたって言ってたよ」





「祐樹君とはすれ違うばかり…」


ため息混じりで言葉が出る。




自転車を止めて、前を向いたままあっち君が言った。

「俺さ、今日の、ファーストキスだったよ。」



「えっ…?」


「わざとじゃなかったんだけど……でも、ごめんなさい。」


ファーストキスがあんな形じゃ悲しいよね。
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