空色のキモチ

「凜？」


振り向くとあっち君がいた。



「また泣いてるのかと思った。先輩、お前が先に帰ったから少しがっかりしてたよ。」


「何か私、情緒不安定みたいで…一人で気持ちを落ち着かせたかったんだ。」


「受験とかの不安？」


「うん。でも祐樹君とも離れちゃう事への不安が強いかな。」


「そうだな。なかなか会えない距離だからな。でも先輩だって不安だよ。」


「わかってるけど・・・」



涙が込み上げる。


「やっぱり泣く〜。」
あっち君が私の頭を胸に優しく抱く。


「ごめんね…あっちゃんに…甘えて…ばかり」


「凜に頼られるのは嬉しいよ、俺。」



泣いてる私を

あっち君がギューって抱きしめた。


動く事も出来ない。


振りほどく事が出来ない。



「あっちゃん…？」


腕の力を緩め、


私を見つめる。




「泣きたくなったらいつでも胸を貸すよ。俺には元気づけるくらいしか出来ないけど…」



あっち君が優しく抱きしめた。


あっち君の腕の中は心の不安を小さくする。

とても居心地がいい。