空色のキモチ
「合格おめでとう。」



そう言って祐樹君が私の手に何かを掴ませた。



何?



手を開いてみると、


祐樹君がいつもしていた


ピアスだった。




「俺が唯一大事にしてたピアス、もらって?」



「いいの?大事にしてたのに…」



すごくお気に入りだった事がわかってたから、躊躇した。





「いいの!大事な物だから凜に持っててほしいんだ。」

少し照れながら言う。






「祐樹君の卒業なのに何も用意してないよ…」



「凜が居てくれるだけでいい。俺、ずっと会えなくて寂しかった。」






家までの道を手を繋ぎながら話をした。
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