空色のキモチ
外の窓を〈コンコン〉と叩く人。



あっ、祐樹先輩だぁ!



初めて見る私服姿にドキッとときめいてしまう。



ときめいたらダメだって!!



なるべく平静を装う。




「お待たせ、凜ちゃん来るの早いねー」
今日は自然な笑顔の先輩で少しホッとした。



「じゃあ行きますか!」


「どこに…?」


先輩はニコニコ笑って


「遊園地!!」




えっ??



それって、まるで



デートみたいだよ。




少しオロオロしてる私の手を引っ張る先輩。


「早くしなきゃ電車が行っちゃう!」



暖かい先輩の大きな手。



伝わる温もりが嬉しかった。
< 37 / 413 >

この作品をシェア

pagetop