戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
だからって、諦めたりしないけど。


「大久保さん、ちょっといいですか?」


私の声かけにパソコンから顔を上げた大久保さんは、鼻にメガネをずらしたまま上目遣いに私を見上げた。


大久保さんは女子社員の中でも一番の勤続年数を誇る、原価Gの生き字引と呼ばれる人だった。白髪まじりの丸いおかっぱ頭で、小さな手がとても可愛い。


「実は、うちの課でこんなことをやりたいと考えてまして…」


大久保さんの隣りに膝をつき、紙に書きながら私は考えていることを説明した。


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