戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
お互いただ息をのむだけで言葉はなかった。だけど、このままサヨナラを告げることもできずにいる。


私は駐車場に一人、立ち尽くしていた。


空を見上げる。


地震の後、アドレス帳を開いていろんな人にメールをした。だけど、ハットリ君にはしなかった。


まだあの部屋にいるのは知っていたから。だから、きっと無事でいる。そう自分に言い訳をしていた。


ただ、勇気が出なかっただけのくせに。


だけど、あの時、メールをしてしまえば、私の中のハットリ君という存在が変わってしまうような気がして。


勇気が出なかったんだ。


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