戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~


部屋のドアが開くと、そこには当たり前だけどハットリ君がいた。てゆーか、ハットリ君の口も開いている。


「本当に来た…」


来たよ。行くって言ったからね。


それを口にはしないまま、持っていた白いビニール袋をハットリ君の胸につき出す。それを受け取り、中をのぞきこんだ後でハットリ君が私を見た。


「………何ごと?」


「お酒買って来た。飲もう。てゆーか、飲んで。私、そんなに飲めないから」


「え? 何、いきなり? てゆーか、飲んだら咲さん、帰れなくなるじゃん」


「いいの。帰らないから」


私の言葉にハットリ君の顔が固まる。私も同じように顔が固まる。ちょっとビビってきたぞ。


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