戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
目の前に置かれているお弁当の蓋を開けると、鰻だった。もちろん、鰻以外にもおかずはある。


役員専用食堂と言えども私たちに用意されていたのは仕出し弁当。


飲み会から昼食会へシフトチェンジした人たちは多く、この時期はどこも会議室が予約済みだったらしい。空いていたのがここしかなかったのだ。


こんな立派な部屋で食べる仕出し弁当。ミスマッチでかなり笑える。


「岩原さん、鰻食べますか?」


「三島ちゃん、もしかして食べれないの?」


「ひつまぶしは食べれるんですけどね…」


「なんじゃそりゃ」


そう言いつつも岩原さんは私の鰻を引き取ってくれた。それを見ていた大川君が身を乗り出す。


「もしかして鰻、お嫌いでしたか?」


「あ………えと、ごめん」


それを引き金に大川君いじりが始まった。


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