戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
「ありがとうございました」


車の後部座席に荷物を乗せてくれた成田さん、諸石さん、松島さんにお礼を言う。座席に乗りきらなくて足元にも紙袋。


「元気でね」


「お疲れ様でした」


「お疲れ様です」


まるで、また明日とでも言ってしまいそうな雰囲気だった。手を振りながら、歩き出した男性陣を見送る。最後に私の傍に残った外山さんにロッカーの鍵を渡した。


「じゃあね。またご飯行こうね」


「うん。行こう。ありがとうね。」


外山さんとはきっとご飯に行く気がする。外山さんと私はどこか似ている気がするから。そんな私の予感は当たっていたみたいで、私と外山さんは1ヶ月以内に再び会うことになる。


一人になって私は車に乗り込む。先に駐車場から出て行く成田さんたちの車を見送りながら、ケータイで時間を確認する。6時をとうに過ぎていた。


「………さて、帰りますかね」


6年分の荷物をいっぱい詰め込んだ車のハンドルを両手でしっかりと握り、私は会社を後にした。

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