戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
私の隣りで笑いながら話を聞いていた課長が言う。


「それにしても、見事なまでに男っ気がないなあ。てっきり言わないだけで隠してるだけだと思ってたのに」


「そういう期待を違う意味で応えちゃうんですよね、私」


「ハローワークにいる男は失業中ですしね」


「夫婦揃って無職って…将来が不安すぎるし」


「いや、だから私はそこに結婚相手を探しに行ってるわけじゃないんですってば」


だったら結婚相談所に行くよ。


「前向きに考えれば仕事も旦那も見つかるんじゃない?」


とんでもなく前向きですね、山杉さん。さすがの私もそこまで前向きにはなれませんよ…てか、山杉さん、飲み過ぎです。


「てゆーか、古本屋行って何するんすか?」


「古本屋には自分を鍛えに行くんです。運動不足を補う為に立ち読みしてます」


「三島さん、もっと他に運動不足解消の方法ってあると思うよっ!」


「だって、楽しいし運動にもなるし尚且つお金もかからないんですよ?」


自分では結構ナイスアイデアだと思っている。ただ、読みたい漫画を探すのに手間がかかるという難点はあるけれどもが。


「古本屋に何時間いるつもりなんだ…」


「三島さん、絶対彼氏作る気ないよ…」


みんな、お酒も入っているせいかいつもより饒舌ですね。そうですね。


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