戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
職業安定所に失業保険の手続きに行った時、驚いた。世の中はこんなに失業者であふれているのかと。どう見ても二十歳そこそこの若者もいれば、年配の男性もいた。中には子どもを連れて説明会に参加していた女性もいた。


4月という季節のせいなのか、それとも年中こうなのか。今回初めて失業保険の受給者になった私にはわからないけれど。


今、この場にいるみんなは失業したことがない人たちばかりだったので、話の流れで失業保険の話になると興味深そうに「へ~」と声を上げた。こんなご時勢。いくら大会社に勤めているとはいえ、無関心でいるほどみんなさすがに子どもじゃない。


「私、30越えてて良かったって初めて思いました。だって、20代と30代だと同じ年数働いていても、失業保険をもらえる期間が違うんですよ」


そう。30過ぎたらもう年齢に関しては喜ぶようなことはないだろうと思っていたのだけど(だって実際年齢で引っ掛かって働けない場所とかあったし)、世の中ってただただ世知辛いだけじゃなかったんだよ。


私は6年間、雇用保険の被保険者だった。もしも私が30歳未満だった場合、給付される日数は120日。だけど、30歳以上45歳未満だった場合はなんと180日もらえるのだ。約半年分!この差はかなり大きい。加えて5年以上働いていたことも大きかった。5年未満だと20も30も関係なく90日しかなかったから。


「年齢が高いと社会的にも責任とかいろいろあるから、その分やっぱりもらえる期間が長いんですかね~」


と、呟いたそこの青年(幹事、年下)。まだまだだな。


私は言った。


「違うよ。年齢が上がれば上がるほど再就職の門が狭くなるの。簡単に就職できないから、その分もらえる日数が長いんだよ」


そう。これは経験してみないとわからない。だから、簡単に仕事を辞めようだなんて思うなよ、青年。いい大学出てるし、すぐ次が見つかるだなんて思うなよ。


…とは、もちろん言えないけど。


でも。そう思ったんだよね。


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