戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
ハットリ君とは出会ってそろそろ半年くらいになるか?
花火大会の帰り道、車で友だちを送って行く途中、お腹がすいて立ち寄った居酒屋で隣りの席になった。
あの盛り上がり方は学生だなぁ、と思っていたら、向こうが私たちのいる席に突然やって来て、「一緒に飲みませんか」と誘われたのがキッカケ。浴衣姿にヒトメボレしたとか何とか言ってたな。もう忘れたけど。
「仕事、忙しい?」
「んにゃ。相変わらず定時きっかり。残業ナシの8時間」
その8時間、みっちりきっちり仕事してますけどね。トイレ行くのも億劫なくらい。
「咲さん、つけ睫毛取れそうだよ」
「あ、本当だ。もう取っちゃおう。あと、帰るだけだし」
目の端でピロピロしている黒い影をピッと取る。片方だけ取るっていうのも変だから、左目も取っちゃおうっと。
「帰っちゃうの?」
「帰るよ。明日も仕事だし…て言ってる側から押し倒してんなよ」
つけ睫毛を指先に持つ私の手首をベッドに押し付けて、ハットリ君は私の体を跨ごうとしていた。
ったく、油断も隙もあったもんじゃないな、コイツ。