戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
後藤さんは食事中、仕事や最近の噂話やらを話し、特に自分の彼氏についての話はしようとしなかった。
それが逆に私には嵐の前の静けさのような気がして。そして、公の場では話せないことを考えているような気がして。かえって私の不安を裏付けていく。
後藤さんがそのことを話し出したのは、帰りの車の中だった。
「三島さん、変なこと聞いてもいいですか?」
私は後藤さんが運転する車の助手席に座っていた。自分が食事に誘ったからと後藤さんは、私を送り迎えしてくれた。別にお酒を飲むわけではなかったけれど、こうしなければ二人だけの空間が持てなかったからかもしれない。
いよいよ本題か。
私は、敢えて彼女の方は見ないまま、返事をした。
「変なことって?」
「・・・私、彼の奥さんに全部ぶちまけてやろうと思うんですけど、どう思いますか?」
車が赤信号で止まった。