戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~

「彼に確かめたら、彼、奥さんを迎えに行ったって言ったんです。それで今はもう普通に一緒に暮らしてるって。なんでそんなことできるんですかね?


だって、一度は本気で別れるつもりで離婚届書いたくせに。別れるつもりで家を出て行ったくせに。いったいどんな顔して一緒に暮らしてるんですかね。なんで何事もなかったみたいな顔して一緒にいるんですかね。結局戻って来るんなら、離婚届なんて書かなきゃいいのに」


それは誰に対する怒りだろうかと、私はエアコンの効いている車内で寒気がした。


「出て行ったくせに。勝手に出て行ったくせに。今はもう何もなかった顔して暮らしてるなんて許せない。彼がその間、どんなに落ち込んでたか、苦しんでいたか知りもしないくせに。彼が本当に落ち込んで自暴自棄になってる間、私が傍にいたのに。


なのに、あの人は奥さんっていうだけであっさり帰って来て、前と同じ生活をしてる。そんなの許せない。それなら私、私と彼の関係を全部奥さんにぶちまけてやりたいんです!」


・・・・・彼女の怒りの矛先は、彼の奥さんに向かっていた。


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