戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
「そんな話は特に聞いてないですけど…ま、3月も5月も一緒ですよ」
「え~、三島さんがいなくなるのは寂しいです。何とかならないんですかね?」
「こればっかりは…雇われの身ですからねぇ」
豊田さんは本気でそう言ってくれていることがよくわかる。言葉に裏のない素直な人だ。
「部長に言ってみましょうか?」
「いやいや、そんなご迷惑はかけられませんよ。お気持ちだけで」
現工務部長は製造部の技術員室にいた時にお世話になった方で、その部署を派遣期間満了で辞める時も、わざわざ送別会を開いてくださった。とても情に厚い方だ。
そのような方にご迷惑をかけるわけにはいかない。これは私が自分に科したルールに背くことになる。