戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
ここの説明は岸谷さんに任せることで事前に打ち合わせをしておいた。もしも説明で足りない部分があれば私が捕捉する。これも引継ぎのひとつ。
岸谷さんの勤勉さはさすがの一言で、午前中に打ち合わせた内容をもう自分の言葉にしてくれている。なんて頼もしい人なんだろう。
安心して岸谷さんの説明を聞いていたその時…
突然、間瀬さんの上司が口を開いた。
「この数字は何?」
「ですからそれは…」
岸谷さんが一生懸命説明する。その小さな声をふんふん、と頷きながら聞いていたが、
「いや、だったらこの数字は毎月同じ割合にならんとおかしいんちゃうか?」
短い指でとんとん、資料の数字をノックしながら。間瀬さんの上司はもう片方の手のひらに顎を乗せて岸谷さんを見た。すかさず間瀬さんがフォローに入る。
けれど、それすら制するように間瀬さんの上司は関西弁で突っ込んできて、岸谷さんがその迫力に押されている様子は目に見えてわかった。そして、助けを求めるように私に視線を送った。
この部分の説明は確かに、今までずっとこの仕事をしてきた人間でないと上手に説明できないかもしれない。ううむ…
「あの、よろしいですか?」
私が説明をしようと声を発した時だった。
「君は派遣社員か?」
思いもよらない言葉が返ってきたのは。
岸谷さんの勤勉さはさすがの一言で、午前中に打ち合わせた内容をもう自分の言葉にしてくれている。なんて頼もしい人なんだろう。
安心して岸谷さんの説明を聞いていたその時…
突然、間瀬さんの上司が口を開いた。
「この数字は何?」
「ですからそれは…」
岸谷さんが一生懸命説明する。その小さな声をふんふん、と頷きながら聞いていたが、
「いや、だったらこの数字は毎月同じ割合にならんとおかしいんちゃうか?」
短い指でとんとん、資料の数字をノックしながら。間瀬さんの上司はもう片方の手のひらに顎を乗せて岸谷さんを見た。すかさず間瀬さんがフォローに入る。
けれど、それすら制するように間瀬さんの上司は関西弁で突っ込んできて、岸谷さんがその迫力に押されている様子は目に見えてわかった。そして、助けを求めるように私に視線を送った。
この部分の説明は確かに、今までずっとこの仕事をしてきた人間でないと上手に説明できないかもしれない。ううむ…
「あの、よろしいですか?」
私が説明をしようと声を発した時だった。
「君は派遣社員か?」
思いもよらない言葉が返ってきたのは。