戦場のガールズライフ～派遣社員奮闘編～

いつもの私なら笑ってその場をやり過ごすこともできたけれど、この時ばかりはそれができそうにもなかった。


こんな風に面と向かってはっきりと、しかも悪びれもせずに言われたのは久し振りだった。しかも、初対面のハゲオヤジに。しかも、岸谷さんと間瀬さんの前で。二度も言いやがった。


自分で言うのもなんだけど、私はそんなに簡単に人を嫌いになったりしない。生理的にどうしても受け付けないとかそういうのは別にして、そんなにすぐ人を嫌いになったりしない方だと思う。


だけど、人間どうしても受け入れられない人間はいるもので、そういった相手を私は「自分の敵」として認識する。


一度「敵」と認識した相手とは、二度と口を利かないし笑いもしない。敵の前で私は人形になる。その様子は普段の私を知っている人なら誰でもわかるほど、私の態度はガラリと変わるのだ。


それに、元々頑固者。
一度「敵」と判別した相手を簡単には許さない。


私はこのハゲオヤジを敵と認識した。こんな短時間で認識したのは初めてだった。