戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
今日もはりきって20球、もれなくかっ飛ばした所で私はバットを置いた。私よりも速いボールが飛んでくるボックスに入っているハットリ君は、動きにくいからと羽織っていた上着を脱ぐ。それを預かり、私はひと休みすることにした。


「咲さん、ほんと負けず嫌いだよね。普段は全然そんな雰囲気ないのに」


「すみませんね、こんなことで呼び出しちゃって」


ハットリ君は軽く素振りをしてバットを握り直し、


「や、いいよ。怒ってる咲さん見るの嫌じゃないし」


「すみませんね、毎回巻き込んじゃって」


カキーン!


「…何でそうなるかな」


「何て?」


カキーン!


「や、何でもない」


カキーン!


聞こえてたけど。
・・・素直じゃないな、私。


< 89 / 368 >

この作品をシェア

pagetop