翼をください。
「ま、今日は俺も付き合ってやんよ。」

 景は若干目を剃らしながら言った。 

「え、部活は!?」 

陸上部のエース様でもあるこの幼なじみは、
くるりと首を回して、こっちを見た。

 「いーんだよ。  一人じゃ危ないしな。」

 景のそんな心遣いが嬉しくて。

私はいつも、いつも笑顔で言うのでした。

 「ありがとう」  

景は気恥ずかしそうにソッポを向いて、
返事はなかった。
< 4 / 23 >

この作品をシェア

pagetop