【短編】大空に舞う一輪の花のように



それから数日がたった。


俺はまだ、あのショックから立ち直れていなかった。



もともと、そんなに強い人間なんかでもなかったから…。



あぁ…

なんか、やる気がでねぇ…。




バスケも、



勉強も、



あの日から…。




全てが上の空。




もうどうでもいい…




全国制覇とか、朝比奈さんのことも…




もうどうでもいいんだ…。



「バスケが好きです」



そんなことを言っていた頃が懐かしい。




俺は結局、朝比奈さんを動力源に動いていただけだったんだ…。




本気でバスケが好きなわけじゃなかったんだ…。




試合で勝って、キミが喜んでくれるから、
俺はどんなに辛い練習にも耐えれたんだ。





ただ、それすらも失った今…




俺は、何を望んでバスケをしていけばいいんだょ……





ねぇ………
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