【短編】大空に舞う一輪の花のように
scene3-僕だけを残して消え行った。
――――
俺が目を開けると、そこにはヒビの入った天井が広がっていた。
ふと俺は辺りを見渡す。
狭い個室に、薄い薬品の匂い。
そこは病院のようだった。
そうだ…、
俺は確か、デカいトラックに跳ねられて――
キィィ…
俺が事故当時を思いだそうとしていると、不意に部屋のドアが鈍い音を立てて鳴った。
「寛太!?」
俺がドアの方を向くと同時に、聞き覚えのある声が、
俺の名前を呼んだ。
「寛太!起きたのか!?」
「ケン…?どうしたんだよいきなり…。モロ起きてんじゃん…」
と俺が不思議そうな顔をすると、ケンは俺に微笑んだ。
「バッカ!お前一週間以上寝てたんだぜ?心配かけやがって…!」
その言葉に、俺は耳を疑った。
「俺が一週間以上寝てた……!?」