【短編】大空に舞う一輪の花のように
「そうだよ…!もう、…ホントに起きねぇかと思った…」
そういって笑うケンの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
「じゃあ俺、寛太の両親に知らせてくるわ。下にいたから…」
そしてそう言うケンに、俺は「おう」と呟き、眼を閉じて寝たフリをした。
俺、一週間も寝てたんだ…。
じゃあ、バスケの練習一週間してないんだ…。
そう言えば、もうそろそろ夏のIH予選が始まるよな…。
もう、どうでもいいか…。
あぁ、また眠くなってきた……。
みんな、俺のことを心配してくれてたのかな…?
監督や…
朝比奈さんも…――――