【短編】大空に舞う一輪の花のように
「なぁ、寛太…」
急に、ケンの声が真剣なそれに変わった。
「なんだよ…改まって」
「俺さ……、頑張るから。お前の分まで。絶対に寛太をインターハイに連れてってやる!!」
そういって笑うケンに、俺も精一杯の笑顔で返した。
「おう!絶対勝てよな!」
それからハイタッチをすると、ケンは俺を選手用ロッカー室へと案内した。
ロッカー室野中は独特の緊張感があって、
俺は昔からこういう感覚が好きだったんだ…。