【短編】大空に舞う一輪の花のように


それから試合はすぐに始まった。


俺はベンチ横のスペースでみんなを応援した。



隣では監督が激を飛ばしている。


後ろでは朝比奈さんが、祈るように車椅子を握りしめていた。



今になってまた襲ってくる虚無感が、俺の胸を締め付ける。



『何で、怪我なんかしたんだろ…』


でも、今更言ったって遅いんだ…。



だから俺は、少しでもケンたちの追い風になれるように、
必死で応援するよ。
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