【短編】大空に舞う一輪の花のように
間もなくして、試合終了の笛が鳴った。
結果は
71-98
俺たちの夏は、県大会準優勝で終わった。
試合後ロッカー室にはいるとすぐに、ケンが俺人気の少ない場所へ呼び出した。
「わるい…、俺…インターハイに゙……連れてけなかった……」
涙を流しながらケンは言う。
「ケン……」
ぐっと、胸に来るものがあった。
何か熱くて、俺の胸をぐっと締め付ける。
「わるい…俺、寛太の夢――
「いいんだ!それより、俺決めた!」
俺は目に溜まっていた涙をふき取りながら言った。
ケンが『?』の表情を俺に向けてくる。
正直、松田先生から言われたときは結構悩んだ。
俺に出来るか不安だったから…。
でも、今日のケンの試合を見てて思ったんだ。
ずっとこのままじゃいけないって。
俺たちは、前に進むしかないんだって…。
だから……
「決めた。俺、まだバスケットを続けるよ!」